当院の感染予防の基本的な考え方
当院では、スタンダードプリコーション(Standard Precaution 標準予防策)を基本としています。スタンダードプリコーションとは、すべての人がなにかしら感染症に感染しているかもしれない(来院している患者さんも勤務しているスタッフも)と考えて、治療環境を整えることです。
具体的には「接触感染防止」「飛沫感染防止」「空気感染防止」の3つに注目して行っています。
接触感染防止
使用している器具はすべて滅菌あるいは殺菌しています。
「滅菌」
有害無害を問わず対象物に存在しているすべての微生物・ウイルスなどを殺滅または除去すること。
「殺菌」
病原性や有害性を有する微生物を死滅させること。
高圧蒸気滅菌器による世界最高水準の滅菌
当院の滅菌は、高圧蒸気滅菌器と呼ばれるものを使用しています。ちなみに高圧蒸気滅菌には、クラスB、クラスS、クラスNの3タイプがあります。タイプによっては中空になっている部位まで滅菌できないと指摘されていますが、当院ではクラスB1台、クラスS1台、クラスN1台の合計3台を使用しており、世界最高水準の滅菌を実現しています。
高圧蒸気滅菌器の欠点と対応について
高圧蒸気滅菌器にも欠点がありますが、当院ではそれぞれの欠点についてもできる限りの対応をしています。
耐熱性をもたない器具に使用できない
高温になるため耐熱性をもたない器具は高圧蒸気滅菌器を使用できません。そのため、まずはそのような器具の使用を最小限になるように工夫しています。またもし使用した場合には、殺菌力の高いグルタールアルデモド製剤を使用して殺菌しています。
血液や唾液などが付着した器具の下洗浄でのスタッフの感染リスク
唾液などが付着したまま高圧蒸気滅菌器を使用して滅菌すると、器具の損傷する場合があるため、スタッフによる下洗浄が必要になります。手洗いになるとスタッフへの感染リスクが高まるため、当院ではウォッシュディスインフェクター(全自動器具洗浄機)で行うことで、世界最高峰レベルの洗浄の実現とスタッフの感染リスクの軽減をしています。
会計時の自動精算機の導入
-
お会計時の金銭のやり取りを少なくし、感染リスクを軽減するために自動精算機を導入しました。
また現金払い以外にも、PayPay(治療費や歯ブラシなどの購入などの全てのお支払いが可能)、各種クレジット(10,000円以上の自費治療のみ)も取り扱っています。
飛沫感染防止
-
飛沫感染防止として、治療スペースのゾーニングおよび口腔外バキュームを使用して、お口の外に出てしまった唾液などを吸い込むようにしています。
空気感染防止
オゾン発生器から人体に害のない殺菌性のあるオゾンを発生させて、全ての空間を殺菌しています。また高性能フィルターを有する空気清浄機を計5台設定して、空気の清浄をしています。
その他の対策
使用した診療台まわりを患者さんごとに清拭したり、治療前にポピヨンヨード(ヨード製剤 *ヨードアレルギーなどのある方はクロロヘキシジン製剤を使用)で、60秒間のうがいをしてもらい、口腔内の感染リスクの軽減をしています。
皆様へのお願い
最後になりましたが、皆様にお願いしたいことがあります。
- 自分の指で直接お口の中を触らないでください。
- 洗面台を使用するときは、周りに飛び散らないようにやさしく使用をしてください。
- お手洗いを使用するときは、周りに飛び散らないようにやさしく使用をしてください。
- 体調がすぐれないときは、無理をして通院をしないようにしてください(体温37.5度以上などのとき)
上記のように全国でも最高レベルの感染対策を行っていると自負しておりますが、どこまでもいっても感染リスクをゼロにすることができません。今後も感染症の知識を身につけて、予防策を模索して実行していきたいと考えています。