治療の流れ
ここにご紹介した治療の流れは、あくまでも基本的なものです。状況に応じて臨機応変に対応いたします。
予防歯科
初診時70歳の方ですが、治療から定期検診(予防歯科)へと内容を変えていった際の例です。
初診時(70歳)
治療後1年4ヶ月(71歳)
初診から3年6ヶ月(74歳)
初診から5年1ヶ月(75歳)
治療終了後
歯周病治療
歯周病は、通院さえしていれば治るといった病気ではありません。また、治療の過程でお薬を使いますが、歯周病は投薬では治らない病気です。根本から解決する上で重要なのは、医療技術と普段のお手入れである歯みがき、この二人三脚が不可欠です。
第1回目の検査
歯ぐきの検査(歯周精密検査):歯ぐきの溝の深さなど8項目の検査をします。
口の中の写真撮影:写真を見ながら現状把握をします。
歯形:歯の大きさ・形・位置関係や噛み合わせなどを、歯形を使って確認します。
レントゲン写真:全体を把握できるタイプと個々の歯を細かく把握できるタイプを状況に合わせて撮影します。
検査結果のご報告
- 検査の結果に基づき、患者さん一人ひとりのご希望、ご要望を満たせるよう、充分なカウンセリングを経てから治療計画をご提案します。その際、説明した内容を資料としてお渡ししていますので、あとでゆっくりと内容を確認することもできます。
治療
治療の第一段階は歯を磨く練習です。どこに磨き残しがあるのか、磨くのが難しい場所があるか、1つひとつ確認していきます。歯みがきが上手になってくると、この段階で歯周病が良くなっていくのが実感できるでしょう。
第二段階では、歯ぐきの溝の中(歯周ポケット)にたまっているばい菌を取り除いていきます。この治療は、1つひとつの歯を丁寧に行う繊細な治療ですので時間がかかります。このときにマイクロスコープも使います。
再検査
再検査は、治療計画どおり快方に向かっているかを確認することが目的です。ご自身では自覚できることと、自覚できないことがあります。再検査を行い、治っているのかどうかをしっかりと見極めましょう。
検査内容は、歯ぐきの検査・お口の中の写真撮影・細かいレントゲン写真の3種類がメインです。
再検査結果のご報告
この段階で治癒していれば、再び歯周病にならないよう定期検診(メンテナンス)をおすすめしています。せっかく良くなったお口の中です。この状態を一生涯キープしましょう。
検査結果によっては、もう一歩ふみ込んだ治療をした方が良い場合があります。治療の第一、第二段階に共通しているのは、歯ぐきの溝の中(歯周ポケット)にあるばい菌を手探りで取り除くことです。この治療は、いわば目隠しで歩くようなもの。
もちろん、私たちは普段からトレーニングを積んでいますので、ほとんどの原因を取り除くことができます。ところが、患者さんによっては治りが悪いケースもあります。そうしたケースでは、第三段階として外科手術が必要となります。
メンテナンス
せっかく良くなったお口の中です。ばい菌の繁殖を抑えて、良い状態をキープしましょう。ばい菌は歯ブラシが届かない場所で繁殖しやすいので、汚れているところをチェックし、きれいな状態を保ちます。
治療(第三段階)
必要があれば、患者さんの状態に応じた外科手術を行います。
再々検査と結果のご報告
外科手術のあと、お口の中がどのような状態かを把握し、次のメンテナンスにつなげていきます。
入れ歯ができるまで
※ここでの工程は、下準備(歯の治療・歯ぐきの治療)が済んでいる前提です。
お口の中の状況の把握
上あごの状態
下あごの状態
入れ歯を作るための型どり
上の型どり
下の型どり
上の模型
上の噛み合わせをとる装置
噛み合わせをとるための模型と装置の製作
上の型どり
上の噛み合わせをとる装置
下の模型
下の噛み合わせをとる装置
噛み合わせ
高さ・前後・左右の立体的な位置関係が重要なのでいくつかの方法を使い分けて位置決めをしていきます。
見た目・噛み合わせの位置の確認
歯の大きさ・位置、唇の感じ、噛み合わせの位置などを確認します。
完成
材料の劣化を抑えるための工夫をしています。
調整
調整回数は、はじめて入れる方は多くなる傾向があり、平均で10回です。慣れるまでの大まかな目安は、入れていることに慣れるまで2週間、話すのに違和感がなくなるまで2~3ヶ月、食べるのに違和感がなくなるまで4~6ヶ月です。
じっくりと練習すると、ほとんどの食事を問題なく食べることができるようになります。
何かしらの理由で入れ歯をやめてしまう方が少なくありません。大半の理由は「痛くて入れていられない」というものです。しかし、痛みは適切な調整をすれば必ずなくなります。あきらめないで調整を繰り返し、二人三脚で快適な入れ歯作りに取り組みましょう。