院内歯科技工所を併設
当院ではこのたび、さまざまな想いを込め、新しく院内に歯科技工所を設けました。きっかけは、歯科技工士の仕事のあり方について思うところがあり、それゆえ「歯科技工士に『自分も患者さんの治療に携わっている』と思ってもらいたい」と考えるようになったのが始まりでした。
通常、歯科技工士は歯科医院とは別の作業場で、模型を見ながら技工物を製作しておりますので、つまりはその場に患者さんはいないわけです。こうした状況から、仕事の意識として「対モノ」の感覚が強くなり、「対ヒト(患者さん)」の意識、治療に携わっている意識が、少なからず希薄になっていると感じたのです。
- そしてそのことに気が付いてからの多くの歯科技工士との対話の中で、実は患者さんと密接に関わって仕事をしたいと考えている人がほとんどであることを知りました。また院内歯科技工所があるという環境は、患者さんにとってはもちろん、医院にとっても大きなメリットがあることになります。
患者さんへの想いを込め、歯科技工士の意思を汲みとった時、院内に歯科技工所を併設することに、もはや何の迷いもありませんでした。
院内歯科技工所があることでのメリット
- チーム医療の強化
- 今までできなかったことが、できるようになる
- 患者さんが、自身の口の中に入るものがどのように作られているのかを知ることができる
チーム医療の強化
- 歯科医師、歯科衛生士、歯科助手をもって「歯科医療チーム」と表現されることはよくありますが、更にここに歯科技工士が加わることは、より一層、治療の質が高まることを意味します。
今までできなかったことが、できるようになった
これまでは、患者さんと歯科技工士の間に第三者を介する必要があったため、当然手間も時間もかかってしまう状況でした。しかし、その場に歯科技工士がいるということで、直接患者さんとのコミュニケーションが取れるようになったので、技工物の製作や調整・修理を、より正確な要望、より早い作業で進めることができるようになりました。
実際、当院の歯科技工士からは「物理的に近いために治療の場に立ち会って見聞きすることが出来るため、急ぎの作業が行いやすくなった」、あるいは「患者さまのお話を治療の現場で直接聞けるので、私からの提案や院長を含めた判断で患者さまにとって最善の選択ができるようになった」という声も聞かれるようになりました。
さらに陶器製の被せ物などの、従来は修理ができなかったものが、できるようになったのも大きなメリットです。
患者さんが、自身の口の中に入るものがどのように作られているのかを知れる
差し歯や入れ歯、詰め物が、一体どのように作られているのかを、間近で知ることができる環境です。またそばに歯科技工士もおります。ぜひ興味を持ってもらえたら、と思っています。ご自身の口の中に入るものですし、製作過程やそれに関わる人を知ることで、歯に対する意識が少しでも高くなってもらえること、当院の院内技工所がその一助となれたら幸いです。
当院の歯科技工士紹介当院の歯科技工士紹介
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川上 哲史(かわかみさとし)
1998年 埼玉歯科技工士専門学校卒
技工所勤務を経て2014年、Dental Laboratory Cotanを開設
「患者さんの口の中をイメージし生体の一部を回復しているのだということを意識し一つずつ丁寧な作業を心がけています」