埼玉県坂戸市(東武東上線 北坂戸駅 徒歩10分)にある、もりや歯科 院長 森谷良行(もりやよしゆき)です。
唐突ですが、治療をして自分の思い通りにお口の中が良くなったら、どんな気持ちですか?何をしたいですか?
これまで同じ様な質問を1000名以上の患者さんに聴いています。
人それぞれですが、家族と外食に行きたい、友人と旅行に行きたい、孫とお墓参りに行きたい、コンサートに行きたい・・・などなど、沢山のやりたいことがあります。
治療をすることも大事ですが、本当に叶えたいことのために治療を頑張った方が、頑張りきれちゃうような気がしています。
治療前の様子
平成28年(2016)11月から当医院で治療をスタートをした40代女性の、治療の流れと経緯について報告させてもらいます。
上の歯は、6本を柱とした全体的なブリッジ治療(取り外しができないタイプ)。
下の歯は右下の奥歯はすでに抜いていて、左下は2本の歯を柱にしたブリッジ、前歯はかろうじで残っている状態。
むし歯と歯周病で歯も歯ぐきもボロボロで、歯を残すことが限界な歯が多数ある状態でした。
治療計画
残せる歯はできるだけ残しつつ、残せない歯は抜くことに。
上の歯は3本残して総入れ歯が上に乗るタイプ、下の歯は前歯6本は自分の歯で残して、奥歯は部分入れ歯にする計画を考えてました。
治療計画を説明する時間をしっかりととって、お互いに納得の上で治療をスタートしました。
治療のテーマ
今回の治療計画で一番気にしたことは、「歯が無い時期をなくす」です。
確かにグラグラして嚙めないかもしれませんが歯が無くなるよりましなはず(言い方が雑ですが)。
最初の入れ歯を作るときも今の歯を残した状態で型取りをして、嚙み合わせをとって作っています。
そうすることで患者さんの気持ちにより添えるのかなって思っています。
具体的には、「残せる歯を使って噛み合わせの位置を整える」方法を採用しました。
治療中の様子
治療開始当初から歯の治療をした後の治り具合が遅かったりしていたので、全身的な部分でご病気がないか疑っていたのですが、患者本人は体調不良は特になかったため、そのまま歯の治療をしていきました。
その後治療がある程度進んでから、体調を崩すことが増えてきましたので、医科の方で診察をしてもらっているのですが、はっきりとした原因はわからないようでした。
お口の中を診る限り体調による影響だろうと私は思っていますが、軽い炎症をもった状態で、体調によって入れ歯が痛くなったりしますが、どうにか使ってもらっています
治療計画の変更
歯の方は、最初からは大幅に治療計画を変えて、下の歯も上と同じように、残している歯の上に総入れ歯乗っかるタイプに変更しました。
今回の治療のテーマである、噛み合わせの位置を整えるために治療用の入れ歯(リハビリ用の入れ歯)を用いながら、身体にとって違和感の少ない入れ歯づくりを目指しました。
練習・リハビリについて
入れ歯には練習や、衰えた口の筋肉のリハビリが必要です。
厳しく聞こえてしまうかもしれませんが、リハビリのやり方はお伝えすることができます。
ただ、リハビリに協力をしてもらえないと、お互いが目指す成果がでません。
入れ歯だからこんなもの、しょうがないと塞ぎ込んでいる方がいるのかもしれませんが、リハビリができる入れ歯で適切なリハビリをしていけば、大半のことができるようになります。
治療後の様子
治療途中で体調不良のため数ヶ月間中断しましたので、3年間の治療期間かかりましたが、治療が一段落しました。
治療が終わったらお終いなのではなく、良くなったお口の中を良い状態で保ち続けるためのお付き合いは継続していきます。
通院はじめの頃は、歯をみせて笑うことはありませんでしたが、今ではお会計の時や談笑をしているときは素晴らしい笑顔を見せてくれます。
思い返せば、治療をする前は食べることに興味が無く食も細かった・・・
家族と同じ食事を食べられるようになってきたので、食べ過ぎてダイエットを考えているそうです。