埼玉県坂戸市(東武東上線 北坂戸駅 徒歩10分)にある、もりや歯科 院長 森谷良行(もりやよしゆき)です。
40代女性の方で、他医院で右上と左上の奥歯の治療をしていたが良くならないので診て欲しいと言うことで来院されました
歯茎の腫れやじっとしていての痛みはなかったのですが、グッと噛むと痛みがあったので嚙み合わせの調整をして痛みをなくしています
その後、細かい検査をしてみましたが本人が気になっている上の右と左の奥歯のみが歯周病の悪化と根の先の炎症がありました
【写真の解説】観て右が実際の左、観て左が実際の右と逆転していることに注意してください
治療計画は歯周病治療をして治るのかの確認をするために、歯周病治療を先行させました
多少は良くなったのですが、大きな改善はなかったので根の治療を平行して行いました
歯周病基本治療と根の治療をして、改善はしてきているが歯周病の進行によって失っている歯槽骨(歯を支えている顎の骨)の回復まではできませんでした
リグロスという保険適応の歯槽骨を再生させることができる材料を使うことを説明して同意を得ることができたので外科治療をする事にしました
【写真の解説】向かって左側が実際のお口の中の右側になります(向かって右側が実際のお口の中の左側)。点線が手術前の状態で顎の骨がなくなっている状態です。矢印が手術をしてから約3ヶ月経過したときのレントゲン写真で骨ができてきています(骨の少なくなってくると黒く抜けたり薄黒く見えたりします)。
再生療法はどんな状態でも可能なわけではありません
1.お口の中のお手入れが行き届いている(歯ブラシの状態が良好、プラークコントロールレコードが20%以下)
2.非喫煙者
3.外科処置に対して理解を示し、必ず良くなるわけではないことも含めて理解をしている
4.協力的である
と言うことが必須であると考えています
また、どこの部位にでも適しているわけでもありませんし、どんな状態でも可能なわけでもありません
状況に合わせて判断をする必要があります
付け加えるなら、術者の技量と知識と経験値も結果に左右します
歯周外科処置を300症例以上、リグロスを用いた外科処置を50症例以上行っています
今回の患者さんの治療の流れは
1.全体の検査
2.歯周病の治療
3.根の治療
4.再度、全体の検査
5.再生療法
6.被せ物治療
7.再再度、全体の検査
を約1年間かけて治療をしています(治るまでの期間も含む)
【写真の解説】数字が沢山書いてある表の赤丸をしている部位が、上段の表では4㎜以上あったのが全て3㎜以下になっています。(歯周病治療は歯周ポケットと言われるハトガグキの溝の深さを3㎜以下にする事を1つの目標にしています)
患者さんの感想は、治療の初期段階で当初の痛みと違和感はなくなっていたのですが原因をできるだけ無くしたいと言うことで,より精密な治療をさせてもらいました
また、良く嚙めるようになったし昔、矯正治療をした時に上下左右1本ずつ(計4本)抜いているので奥歯がな2本もなくなると思ったら、気になって気になってしょうがなかったようです
今では3ヶ月前後の定期検診で経過をおっていますが、本人の努力のお陰もあり良好な状態を保っています
最後に令和2年3月に新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐために非常事態宣言が発令された際に、不要不急な歯科治療として定期検診は控えようと言うな風潮が広がりました
ここ「定期検診」という言葉の定義をよく考えてください
政府が言っていた定期検診とは、学校検診や市の検診のような病気かそうじゃないかを短時間で判断するような内容の事を示しています
もりや歯科が行っている定期検診は、病気になっていないかの判断もしますが、もっと重要と考えているのは病気にならないようにする、病気が悪化しないようにすることだと考えています
歯の病気の悪化に伴い、全身の病気も悪化するという報告も多数でてきています(新型コロナウイルスに関しては令和2年月8月10日現在では報告されていません)
なので、もりや歯科で行っている定期検診は継続して行うことを強くオススメしています