埼玉県坂戸市(東武東上線 北坂戸駅 徒歩10分)にある、もりや歯科 院長 森谷良行(もりやよしゆき)です。
40代 女性 全体的な中等度歯周病および部分的な重度歯周病
平成26年11月にもりや歯科に来院したきっかけは左下奥歯の詰物が食事ちゅに取れてしまったとのこと。お口の中を拝見すると歯周病であるとひ止めでわかるような状態でしたので、本人にも確認をしてみました。すると、今までに何回も歯周病の治療をしていたが一時的に良くなってもすぐに歯茎が晴れて、歯ブラシをすると出血をするようになってしまうので半ば諦めていると言っていました。
写真の左上の歯茎とはの境目が赤く腫れています
左下奥歯の取れてしまった詰物は、そのまま取り付けることができましたので即日治療をしました。後日、歯周病の精密検査をして病状の確認をしました。パッと見て歯周病である事は明白でしたが精密検査をしてみると想定以上に悪化をしていました。
歯周病の治療は
1、歯ブラシを適切に行えるようになる事で、歯茎の表面の炎症を抑える。炎症が治ると歯ブラシ中の出血が激減します。患者自身も歯ブラシ中の出血がなくなってきた事、歯茎の見た目が変化をしてきて歯ブラシをすることの怖さが無くなってきたと言っています
4回にわたって赤く染め出しをして歯ブラシで落とす練習を繰り返しました
2、再度、精密検査と細かいレントゲン写真撮影をして、どのくらい治った部位があるのか。治っていない部位の把握のために行います。検査結果は、歯周病の改善が半分ありました。歯茎の中には多くの歯石が残っているため、専門家による歯周治療が必要である事を伝えて、治療の同意を得ています。ただ、奥歯は治りが悪い部位が目立つため歯周外科処置が必要であることを提案をしています。過去に歯周外科処置をおこなた経験があり、出来れば外科処置はしたくないことを教えて頂きました。私たちも外科処置が必須なのではなく今後治らない部位は行ないことを伝えました。
歯ブラシの練習だけで、歯茎の状態が改善しています
3、お口の中を右上奥歯、上の前歯、左上奥歯、右下奥歯、下の前歯、左下奥歯の6回に分けて、歯周治療を行いました。術後に軽い痛みがあったので、痛みが強くなったりした時は連絡をして欲しいことを伝えました。連絡はなかったのですが、痛みが少しあったので手持ちの痛み止めを飲んだとのことでした。
4、6回に分けて行なった後に、再再度、精密検査とレントゲン写真撮影をしました。大半の歯石は取り除くことができていましたが、残っている歯石があるため炎症が残っていました。歯周外科治療の必要性を再度説明をさせてもらいました。今までの歯科医院ではここまで徹底して治療をしていなかったこと、今までで一番良くなってきていることから歯周外科治療をすることに同意を得ることができました。
5、右上奥歯、左上奥歯、右下奥歯、左下奥歯の4回に分けて外科処置を行いました。外科治療後に治るまでの間に、被せ物やり直しをしていきました。
6、4回の外科処置後に、再々再度、精密検査とレントゲン写真撮影を行いました。重度死守病の90%ちょっとは治った状態になりました。
最初の写真と比べると、歯茎の色はキレイな薄いピンク色で形もキレイになっています
ただ、歯茎の位置が若干変化したため,歯と歯の間に隙間がでています(本人には治ってくる過程でこのような状態になるであろう事は伝えて同意を得ています)
約3年間の治療期間はかかりましたが、本人の満足は高く治療をしてよかったとまで言ってもらいました。
良好になった状態を保つために1~2ヶ月ごとの3年間メインテナンスを継続中です。新型コロナウイルス感染症者が増えてきている状況においても、患者本人のメインテナンスの意味を正しく理解してもらえたため継続して行うことができました。
メインテナンス(定期検診)は、病気の悪化を防ぐために行います。決してお口の中をチェックするためだけには行なっていません。家庭環境が変化していないか?体調の変化はないか?悪くなり始めていないか?などを総合的に確認をしています。なぜなら、歯周病は全身状態に大きく影響を受けるからです。
歯周病治療をする事は大事です。もっと大事なのは、本人が正しく知識を身につけて正しく生活をできるようになる事です。