現在、5人に1人の成人が入れ歯をしていると言われています。
その中には、入れ歯の調子が悪く食事がままならない、入れ歯がガタついて困っているという方が多くいます。
歯医者に行って改善できたと言う方もいるでしょうし、歯医者に行ってもどうにもならないと思っている方もいます。
私は、もりや歯科に来てくださる方に誠心誠意診療させていただき、入れ歯を入れている方の力になりたいと、常々考えています。
入れ歯が出来上がるまでには、診療中に注意することと入れ歯を形づくる時に注意することとのバランスを良く考えていく必要があります。
私には二人の師がいます。
一人は、歯科大学にて入れ歯専門で指導してきた父である森谷良彦先生です。
もう一人は、銀座にて入れ歯治療を含めお口の中だけではなく全身の健康を見据えた治療をしている深水皓三先生です。
お二人の師のおかげで、大学を卒業してからも学び続けることができております。
入れ歯製作は、知識、技術を身につけるのが困難な分野と言われています。
それにもかかわらず、学びの機会が少ないという現状があります。
しかも、技術や知識を学んだからといって患者さんに気に入っていただけるか、満足していただけるかは別問題です。
がっかりされるかもしれませんが、この治療方法ならば絶対大丈夫という方法は実はありません。
歯を失ったことで見た目という形態だけを回復する治療が先行してしまい、歯を失うことで変化してしまった「噛む・飲み込む・話す」などの機能をリハビリして良い状態まで回復させるという最も大切なことがなおざりにされているのが現状です。
入れ歯をされている方は、見た目という形態も気になりますが、「噛む・飲み込む・話す」を良い状態にしたいと強く望んでいると感じています。
この望みを叶えることこそが歯科業界の課題だと考えています。
ベースになる知識と技術を患者さんに応じて柔軟に考えながら手を加えることで、満足いただける入れ歯になっていくのだと考えています。
このような現状を打破すべく、入れ歯製作の実習を開催することにしました。
今までに二人の師から教わったことを私なりに磨き上げて次の世代へ渡していきたいと思い立ちました。
入れ歯作りの3つの工程
私が講師を担当します。
場合によっては、お二人の師に来てもらうことがあるかもしれません。
実習で目指すのは「24時間装着し続けても問題が起きない総入れ歯治療」です。
入れ歯が出来るまでの工程を一つ一つ丁寧に区分けして実習を行っていきます。
第1工程
治療用入れ歯(リハビリ用の入れ歯)を作成するための型取り、噛み合わせ、確認、完成するまでの工程になります。
第2工程
第2工程は、作成した治療用入れ歯(リハビリ用の入れ歯)を使いながらリハビリを重ねてより良い状態にするまでの工程です。
第3工程
第3工程は、リハビリをしながらより良い形態になっている治療用入れ歯(リハビリ用の入れ歯)を用いて最終入れ歯を造るまでの工程です。
この大きく分けて3つの工程を実習で手を動かしながら身につけて頂く内容になっています。
その内容ゆえに、患者役も実際に入れ歯を望んでいる方にお願いすることにしました。
最高の入れ歯を手に入れる絶好の機会になります。
そして「未来の担い手」の成長にお力をお貸しいただけるとこの上なく嬉しいです。
実習にあたってのお願い
この実習は全11回で行う予定です。
患者役をしていただける方には、全ての日程でお手伝いをお願いいたします。
1回1回が少し長い時間(1〜2時間)になります。休憩は十分にお取りします。
何卒、宜しくお願いいたします。
ご協力頂くにあたり以下のことをご了承下さい。
- 実習講座になりますので受講生及び見学者が複数名になります。回によって人数は変動しますが、最大人数は10名弱になります。
診療台の周りを人が囲っている状態になります。 - 授業形式で行いますので、講師が受講生へ教えるという関係です。
言葉づかいが命令形や厳しめの言葉づかいになることがあります。
また、いろいろな質問が飛び交いますので、耳障りなことがあるかも知れません。その中には疑問がわくようなことも含まれるかもしれません。 - 記録のためにお口の中の写真撮影、動画撮影を行います。
採得した資料は参加者との情報共有に使用するのと、外部への活動報告等のためSNSなどを通じて情報発信する際に使用します。
また、今後も採得した資料を使わせて頂くことがあります。
ただし、資料の上でもインターネット上にも個人が特定できるような情報は一切出しませんのでご安心ください。 - 型取り、噛み合わせ、確認、装着という工程を、出来る限りそれぞれの参加者にもさせて頂きたいと考えています。
一度に複数の入れ歯を創るような感覚になります。 - 数時間(1時間〜2時間)という長丁場になります。
適度に途中休憩をとります。もちろんトイレに行くことは自由にできます。 - 主な治療日は実習開催日になります。
痛みや気になることは、たとえ些細なことであっても実習日以外でも弊院にて対応しますのでご安心下さい。 - こちら側の都合で日程を決めさせて頂く事をご了承下さい。
- 実習へのお手伝いをして頂くお礼として特別割引で入れ歯をご提供します。
何かしらの理由で実習へのお手伝いができなくなった場合は割引の対象ではなくなります。
開催日
基本的に毎月1〜2回、日曜日を予定しています。
特定非営利活動法人一歯一心会 代表理事
もりや歯科 院長
森谷 良行